認定医って何?

矯正歯科における認定医とはどのような資格なのか、その概要をまとめました。

矯正歯科における認定医とは

基本的に、歯科医師の国家資格を取得していれば誰でも矯正治療を行えますが、矯正歯科を扱う各学会では「認定医」「専門医」といった資格制度を設けています。

認定医・専門医の資格制度を設立しているのは、「公益社団法人 日本矯正歯科学会」「JIO 一般社団法人 日本矯正歯科協会」「特定非営利活動法人 日本成人矯正歯科学会」の3団体。各団体が設けている条件を満たすことで、認定医・専門医の資格を名乗ることが可能となります。

公益社団法人 日本矯正歯科学会認定医とは

1926年に設立された歯科矯正学の学術団体で、約7,000名の会員で構成されています(2022年9月時点)。日本矯正歯科学会における認定医の定義は以下の通りです。

  1. 歯科医師免許を有している。
  2. 歯科医師免許の取得後、5年以上学会会員である。
  3. 学会が指定する研修期間で基本研修を受け、その期間を含めた5年以上にわたり矯正歯科臨床研修を修了している。
  4. 学会が認めた刊行物に臨床に関する論文を発表している。
  5. 学会倫理規定を遵守している。
  6. 学会認定医委員会の審査に合格している。
各団体が設けている条件を満たすことで、認定医・専門医の資格を名乗ることが可能となります。

JIO 一般社団法人 日本矯正歯科協会

JIOでは、歯科医の矯正臨床能力を審査するために2004年にJBO(日本歯科矯正専門医認定機構)を設立。歯科矯正専門医と、その施設の認定審査を行っています。認定基準は以下の通りです。

  1. 矯正専従医として5年以上の経験を持つこと。
  2. 100症例以上の矯正治療実績を持っていること。
  3. 100症例の治療実績の中から審査委員に指定された5症例についての臨床能力評価を受け、合格すること。

特定非営利活動法人
日本成人矯正歯科学会

日本成人矯正歯科学会では、成人矯正歯科医療のレベル維持と向上を目的に、認定医制度を設けています。日本成人矯正歯科学会の認定医資格を申請するには、以下の1~3あるいは1・2・4の条件を満たす必要があります。

  1. 日本の医師免許を保有している。
  2. 日本成人矯正歯科学会に5年以上在籍している(当学会への入会以前に他の矯正歯科関連学会に在籍していた場合)
  3. 認定研修プログラムを修了、あるいは学会が認定する矯正歯科専門医療機関に2年在籍し、矯正歯科基礎研修を修了および認定医申請資格試験に合格している。ただし、認定研修施設に5年以上在籍して認定研修プログラムを修了していると責任者が認めた場合、あるいは矯正歯科専門医療機関に5年以上在籍して認定研修プログラムを修了したと認められた場合は試験を免除。
  4. 日本成人矯正歯科学会の認定研修施設または矯正歯科専門医療機関に5年以上在籍、あるいは矯正歯科専門医療機関に2年以上在籍して矯正歯科基礎研修を修了し、認定医資格試験に合格していること。

調査・文/坂野香織さん(歯科衛生士 有資格者)

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